表題は、中国の古典「史記」にある言葉で、「けいこうぎゅうご」と読みます。「むしろ鶏口となるも、牛後となるなかれ」の略です。

keikou「鶏口」は、鳥のくちばしのことで、弱小なものの長のたとえ。「牛後」は、牛の尻のこと。強大なものに従うもののたとえです。

だから、意味は「大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられるほうがよいということ」となります。

私がこの言葉を知ったのは、たぶん高校の漢文の授業だったと思います。塾・予備校関係の仕事をするようになってから、特に進学相談のときに、この言葉を生徒や保護者の方から聞くことが、何度かありました。

進学相談でこの言葉が出るときは、決まって志望校のランクを下げようとするとき。難しい学校に行ってついていけないよりも、トップになれるランクの学校を受験したい。

この気持ちはよくわかります。

ただ、ほとんどの場合、この言葉を口にした受験生は、その時点で、難しい学校に挑戦するレベルになっていない。志望を下げるというくやしさをうやむやにするために、表題の言葉を使っているにすぎません。

今の中3は、志望校に関してはまだあいまいな人が多いと思います。それでも、早くに自分の目標となる学校を高めに設定して、それに向かって努力していくことが大切ではないかと思います。
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